2009年3月17日 15:00
Posted by : 硯 一晃
相続は被相続人の死亡と同時に開始され、法定相続人は相続人の遺産を相続します。しかしながら、借金のみを背負ったり、連帯保証人になっている方の借金を将来肩代わりする可能性があったり、遺産分割について他の相続人と顔を合わせたくない場合があります。
それを回避する方法として、「相続放棄」という制度があります。
具体的な手続きとして、相続を開始することを知った日から3ヶ月以内に被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で下記の書類を提出することにより行います。
相続放棄の申述書
申述人の戸籍謄本
被相続人の除籍(戸籍)謄本
住民票の除票
■相続放棄をする場合の注意点
(1)一度相続放棄の手続きをしてしまうと、その後多額の財産が出てきたとしても、撤回することはできません。
(2)第一順位(子)の人が相続放棄した場合には次順位の人が相続人となってしまうので明らかに債務が多い場合には第2順位(父母)第3順位(兄弟姉妹)の人も含めて手続きをする必要があります。
(3)相続人間で遺産分割協議書を作成して、財産・債務を一切相続しない取り決めをした場合でも、第3者(債権者)に対しては法定相続割合で債務を負いますので、被相続人の債務を完全に免れるためには、原則3ヶ月以内の手続きが必要です。
なお、3ヶ月以内に相続放棄するか否か決めかねる方は3ヶ月の期間を延長することもできます。
ただし、4ヶ月以内に準確定申告を提出することを考慮すると延長期間は事実上1ヶ月となります。
(4)生命保険の契約で、相続放棄した方が受取人に指定されている場合、遺贈により取得したこととなり生命保険金を受け取ることが出来ます。
(5)非課税枠を計算する場合、基礎控除額の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」及び相続人が受け取る生命保険金、退職手当金の「500万円×法定相続人数」の「法定相続人数」には相続放棄をしたかどうかは問いません。
したがって相続放棄した人がいる場合でも非課税枠は同じです。
ただし、相続放棄をした方が生命保険金や死亡退職金を受け取った場合には非課税枠の適用はありません。
■相続放棄の手続きをする前に・・・
明らかに借金が多い場合には、家庭裁判所で手続きをしていただければよいかと思いますが、相続放棄をしてしまうと場合によっては本来相続人にでない方に相続人としての権利が移ったり、相続税の計算方法が変わったりします。
そこで、単に相続財産はいらないよということであれば、わざわざ裁判所に対して相続放棄の手続きをするのではなく、遺産分割協議で相続財産の分配を辞退すれば事足ります。