2009年5月18日 16:58
Posted by : 雄長 八千恵
個人商店を営んでいた先代の財産は、個人用も事業用(個人商店で使用している財産)もすべてが相続の対象となります。
相続人が後継者1人のみであるならば、事業用の財産はすべて後継者に相続でき、特に問題は生じません。
ただし、問題となってくるのは、相続人が複数おられる場合です。
例えば、後継者ではない相続人が個人商店で使用している店舗を相続したとしましょう。
その後、相続人は借金まみれとなり、その借金を返すためにその相続した店舗を売ってしまったらどうなるでしょうか?
後継者は個人商店を営んでいくのが困難となってしまいますよね。
このような事態を免れるために、事業用の財産のすべてを後継者に相続させるという遺言書を作成するのが有効的となります。
しかし注意しておかなければならない点があります。
それは相続人には遺留分の減殺請求権があるということです。
(簡単に言うと、兄弟姉妹以外の相続人は、遺言の内容に関わらず、一定割合の相続財産を相続することができ、その一定割合を侵害するような遺言の場合には、相続人は相続財産をちょうだい!と主張することができるのです)
従って、後継者以外の相続人の遺留分を個人用の財産だけではカバーできないような場合には、遺留分の減殺請求をされる場合があります。
事業用の財産が後継者以外の相続人の物になってしまうかもしれませんので、遺留分を侵害した部分に関しては、後継者がその相続人に金銭を支払うといった負担付遺言も検討しなければならないでしょう。
まさに遺言書は先代から後継者へ向けたラブレターとも言えるのではないでしょうか。